2014年4月8日火曜日

心を映す鏡



健診のたびにとても緊張した面持ちで通って来る妊婦さんがいました。

血圧も健診のたびに高くなり、
緊張のあまり表情もいつもかたくて、心を閉ざしているようにみうけられました。
できる限り、健診のたびにコミニュケーションをとり
悩みを聞いたり、アドバイスをしながら関わりを深めていきました。

その方が優しくて穏やかな『お母さんの顔』に変貌していく様子を
目の当たりにしましたので、本日はそのことについて書かせていただきます。

月日はたちお産の時期を迎えていました。

たまたま偶然にも私の分娩当番の日に陣痛が始まりました。

陣痛があまり強くない状態ながらも徐々に進行していき、
こちらの心配をよそに、とてもスムーズな経過を辿り、
母子ともに無事にお産を終え、数日後に退院されました。

健診に来ていた時の顔。
陣痛に耐えていた時。
お産を終えた時。
そして、赤ちゃんのお世話を始めてから退院までの顔。

同じ人なのに、
これほどまでに短期間で表情が変わっていくのかと、
日々驚かされました。

顔や表情は、
知らぬ間に心の状態を映す、
まさに鏡なのだということを実感させられました。

とても自然な形で『お母さんの顔』になっていく過程…
緊張していたあの人が
こんなにも表情の緩んだ笑顔を見せてくれるのだと、
心からとても嬉しく思った出会いでした。

お産を終えた安堵感や達成感、
少しずつ育児ができるようになった自信など
心の中からにじみ出る美しさ、溢れる喜びが
まさに輝く笑顔になって現われてくるのですね。

そんな素敵な変貌を見られた時にこそ
この仕事をしていて本当に幸せだと感じる瞬間です。

これから先
予防接種、ベビーマッサージなどまたお会いする機会があると思います。
これから先どんな顔になっていくのか楽しみです。




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